見立てと客観的視点が重要な「べすとびじょん式ビジョントレーニング」のアプローチ
「べすとびじょん式ビジョントレーニング」は、単に目の機能を鍛えるだけではなく、子どもの発達や支援を総合的に見直すための体系的なトレーニングメソッドです。
このメソッドは、子どもがつまずく原因を特定し、その原因に対して適切なサポートを行うことを目指しています。
日本ビジョントレーニング普及協会の初級講座では、「べすとびじょん式」の特長である客観的データに基づくアセスメントの重要性について解説しています。
したがって私たちのビジョントレーニングは視覚機能の向上だけでなく、認知能力や体の動きにも深く関わっていることがわかります。
主観に頼る支援の限界
ようく相談のあることですが、ビジョントレーニングや療育現場において、しばしば起こる問題として支援者の「主観」に基づく見立てがあります。
例えば、字が汚い子どもに対して「書字の練習をすればよい」といった表面的な解決策に終始してしまうことがあります。
しかし、字が汚い背景には視覚処理の問題や、体幹の不安定さ、さらには物事をとらえる認知が育っていないといった可能性もあります。
こうした要因を見落とすと、根本的な解決には至らず、長期的には子どもにとって不利な結果をもたらすことになります。
客観的データに基づくアセスメント
「べすとびじょん式ビジョントレーニング」では、まず主観に頼ることなく、客観的データに基づくアセスメントを重視します。
このメソッドでは、以下のような視点で子どものつまずきを評価します。
- 〇〇〇〇の視点: 子どもの成長過程において、どの段階でどのような発達が見られるかをチェックする。
- 5つの〇〇: 聴覚、視覚、触覚などの感覚がどのように機能しているかをバランスよく評価する。
- 〇〇プログラム: このプログラムが残っていることで、視覚や運動にどのような影響を与えているかを確認する。
これら3つの視点を基に、さらに3つの切り口の要素も加味して、3の3乗で27通りの角度から子どもがどこでつまずいているのかを見立てていきます。
このように、多角的な視点からアセスメントを行うことで、支援者はより客観的な判断が可能になります。
アセスメントを基にした的確な支援
「べすとびじょん式ビジョントレーニング」は、アセスメントに基づいた支援を徹底しています。
見る力が弱ければ、それに関連する理解力や認知機能も弱くなるため、まずは目の機能をチェックし、適切なトレーニングを行うことが重要です。
支援者は、子どもの課題をただ表面的に捉えるのではなく、どの要因が本質的な問題なのかをアセスメントしながら支援を行うことが求められます。
べすとびじょんでのビジョントレーニングは、単に目的や見立てに沿わないトレーニングではなく、全体的な発達支援の一環として捉えることが重要です。
このように、「べすとびじょん式ビジョントレーニング」は、単なる視覚の訓練に留まらず、全身の協調性や認知能力の向上も含む多角的なアプローチを取り入れています。
専門職としての支援者は、これらの要素をしっかりと理解し、アセスメントに基づいた支援を提供することが非常に重要だと私は考えます。
最後までお読みいただきありがとうございます。